私見: たまには外に出て働こう。世の中の変化は速い、老化はもっと早かった

 先に感情のあまり書きなぐったブログを、消した。しかし、怒りのあまり書いたブログは、通常の4.5倍以上のアクセスがあった。 それだけ、差しさわりのない日常より、何か事件があった方が他人のブログでさえ、面白いって事だろうか。

 

 前から、少し、派遣で引継ぎが上手くいかない事が多くなってきた。PCが変わるたび、サイボーズからOutlookに変わるたび、メールは使い慣れていたはずなのに、???って事はたびたび起こりもしたが、2,3日もすればすぐ慣れたものだった。

 超高速な口頭のみの引継ぎも、3日目には朝から疲れはててしまい私のやる気を根底から奪ってしまった。もう、後は好きなようにしゃべらせるだけで、メモも取れなくなった。年代による体力差は、いかんともしがたい。

 しかしだ、それも若いうちだったのか?って事に今回、気づかされる事件がおきた。

  コロナになってから、1年3か月以上、大人しく家にこもっていた。

 

 今回、派遣先で諸事情、思い通りにならず、データ入力にまわされた。メール1通、何の説明もなく。引継ぎは丸投げで段取りなど皆無。流暢だから日常会話であれば何の支障もない日本語を超高速で話す外国人が、「わかりますか」「大丈夫ですか」と超高速で画面操作をしながら、データ入力の手順を教えてくれた。

 しかしだ、「これで良いです」と画面をさっとすごい手早さで切り替えるものだから、こちらは、何が良いのか、どの画面のどこを触ったのか、何を変えたのか、この画面の状態が良いのか、あるいは、このケースのこの時にこれをしなければならないのかと、ケースごとの入力方法を説明してくれるのだが、そもそも、何をするのが、初心者の自分の仕事なのか説明もなかった。今の話は、自分の担当なのか、あるいは別の職種の経験者への、ついでに知っておいて欲しい追加情報なのか、混乱するばかりだった。

 

 わからないと苦情を上げた私たちに、かの国のエリートさんは言った。

「経験者じゃないのか」

 

 昔、日本から、コストが安い国に単純作業を移転するときには、間違いや、説明もれを恐れて、丁寧にマニュアルを画面ショットを入れて作った。それが、品質を担保しなければならない日本側のやり方だった。言葉が通じない分、丁寧に、手戻りがないようにと我慢強く教えてきた。

  最初に丁寧にデータ入力の定義を決めておかないと、後々、訂正をお客様先から要求された時のコスト増は、会社の赤字になる。先を考えたら、投げやりにやって良い仕事ではないはずだ。

 

 最近、まさかとは思うが、日本に簡単な作業が戻りつつあるのだろうか。あるいは、これから、一度、日本に取り戻し、さらに異なる国へアウトソーシングしていくという流れがおきるのだろうか。しかし、今や、日本より労働力が安い国で、日本語と英語に対応してくれる国ってあるのだろうか。逆にこの引継ぎを聞きながら、日本の発注元のお客様は、こんな引継ぎで入力されたデータを元に分析しているのかと、日本の製造会社への信頼が揺らいだ。

 こんなやり方の成果物を元に研究分析しても、意味があるのか?大丈夫なのか?

 かたことの日本語のビデオを何度も見直して、メモを取る。「大丈夫です」って、おいおい、そこで大丈夫って、そもそもデータ取る時の要もかなめ、そこ、いい加減に教えちゃダメでしょって、何度もビデオを戻して聞き直す。

 思えば、かの国の方々に作業効率とか、手戻りによるコスト増とか、ましてや、最初に仕事の全体像を説明してから、やるべき作業を順序だててとか、日本の流儀を期待した聞き手の私が、現実を知らなさ過ぎたのだ。それなのに、おばちゃんは、怒り狂って、やっとつかみかけたチャンスを自分でつぶしてしまった。 

 

 一緒に聞いていた他の日本人の(若い)人々は、わからないと苦情を控えめにあげても、私のように、この担当の社員はあまりに経験がなさすぎる、と怒りをあらわにした。無神経な言い草に、あまりに感情的に書きすぎたので、さすがにそのいきさつを書いたブログは消しました (私見: 全部、派遣に丸投げ、無責任社員)

 

 日本の産業が衰退して、トヨタ形式に代表される日本の品質改善の常識を正社員にさえ教育しないような時代になったのか。あるいは、私が派遣された会社が、たまたま、外資でそういう改善を丁寧にする余裕さえない場当たり的な、毎日が、緊急事態発生状態で、とりあえず、火消しだけしてこい、疲れて嫌になったらいつでもやめろ的な、即日解雇当たり前の会社なのかもしれない。リストラを繰り返す会社だと、下手に若手に仕事を教えようとすると根にもたれて、360度リサーチの時に悪評をつけられれば首が飛ぶ。本来、口うるさく若手を指導してきたベテラン勢は、家族を思えば見て見ぬふりをするしかない。

 

 ここ3年程か、超高速で一方的に話し続け、引継ぎはしましたと、人がメモを取る間合いも図らずにしゃべり続ける若い前任者にあたる確率が50%位になった。30代前半までの若い人に多い。話すスピードが1.5倍速位だ。

 そして、そんな引継では、私は必ず、ミスをする。ミスを見つけられると、だいたい、社員は能力がない年取ったおばさんとばかりに、すぐ、おばちゃんは切られる。

 

 私は、1年3か月程、コロナを理由に仕事を探さなかった。家にいる間は、gmailしか使わないから、この1年は、ストレスフリーだった。

 

 その間に、世の中は在宅仕事が増え、リモート会議が増え、相手の表情なども見えない。従い、超一方的な、超高速、超場あたり的な説明で、複雑な入力仕事をぶん投げられるはめになり、全く理解できず、私は、痛烈に自分の老いを感じた。

 若い時と違って、この年になると1年、働きに出ないだけで、何もかもが、初めての事になる。やっと会社指定の久しぶりのOutlookに、初めての社内ソフト、挙句が契約に当初なかった突然の仕事変更と、超高速のかたこと日本語の「わかりますか」リモート攻撃だ。

 

 医療翻訳の勉強をしてきたなら生かせる時、チャンスとばかりに撃ってでたが、思いもせず、自分の肝心かなめの足が弱り走れない事に気づかされた。

 そんな感じの今回の派遣仕事の大失敗であった。

 年金が出るまで後、できれば少なくとも5年は何とか働かなければならない。コロナで怖くて、外に出れなかった方も多いと思うが、やはり、年が行くほど、あまり長く家に引きこもってばかりいると、肝心かなめの、本職以外の仕事に必要不可欠なPCスキルが、あっという間に進化して、自分の対応力も衰えていく。

 特に若い人達は、全く、コミュニケーションや考え方も変わってしまって、こちらの昔の常識とは、全く違う働き方をしているという事を、今回は痛感した。

 

 

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