2020-07-04から1日間の記事一覧

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第七章 空襲そして敗戦-3

佐和は、銀行家からの使いの者の背中に型とおりの会釈をすると、まるで汚れを払うように、蔵の戸を開けた。まだ焼け跡の煙くさいが、風が入ってきた。 さっぱりとした。 破談を告げにきたのだ。花が火傷を負い臥せっている噂は、すぐに伝わった。 戦争がこん…