読みだしたら止まらない、宮部みゆき様の新シリーズというか、続きのような本所深川界隈の岡っ引きというか、そのずーっと若い幼い少年のお話です。
続編がなぜでないのかと、宮部様、政五郎親分はあの美少年を跡取りにもらったの?とか、おでこは、どうなったのか、早く続編書いてくれないかな~~~と思っているあなた、このきたきた捕物帖の続編に、ちょろちょろっと出てきます。
天才、宮部様にしてみれば、生きていたような作中人物も、え~って軽い軽い扱いではあります。なんで、そんな残念なと1行で終わらせてもいますが、とりあえず、生きて元気にはしてますし、どうやら、美少年は役者にかどわかされる事もなく、立派に成長した。ような感じです。
さて、この本は、頼りにしていた岡っ引きの親分がフグなんぞにあたって、コロッとなって身よりのない北一少年が、青年になりかかるまでのお話です。下っ端の下っ端ゆえ誰も岡っ引きの子分にさえしてもらえない北一ですが、そこは、宮部様の描く本所深川界隈ですから、情があつく、なぜか、なぜか、ひょんな事から事件に巻き込まれます。
事件は、江戸ならではの、へんてこな話がこんがらがって、たきつけの紙を拾った事から始まります。薬もない時代の話ですから、赤子は7つまではいつ亡くなるかもわからない時代ですが、授かった子を失った親の嘆きはいつの時代も変わりません。人情が人情でからんで、なんで、こんな事になるかね~~って話。
2つ目は、怖いですね。これは現代でもいますね。サイコパスというか、昔の方が、法医学なんてありませんし、指紋も髪で遺伝子を調べればなんて事もできない分、昔の方があったのでしょうね。。。
とにかく、読後感は、ぞっとします。
読んでいて思ったのは、そう、年とると子供産めなかった事を本当に後悔して、甥っ子だの姪っ子の成長をつらつら思いだして、他人の子供は成長が早かったけど、あんな事も、こんな事もあったけど、そういえば、次あった時には、びっくりする位成長して、急に大人びてきたな。。。
そういう事って、ありませんか。
年とると、自分の知り合いがどんどんあの世に行って、寂しくなるばかり。子供産んでないと、本当、子供産んでいたら、どうなっていたろうかと思うのです。私の血引いているって事は、ろくでもないはねっ返りでしょうけどね。。。
そんな、女の未練というか、子供へのまなざしが感じられる一冊です。筋として、別の「三島屋変調百物語」シリーズの方がすごみがあります。こちらは、おすましみたいにさらっと読めます。どちらが好きかは、あなたの心持ち次第です。
とにかく、政五郎親分が元気なのか、どうしているのか知りたい人は、絶対、読まないといけません。
こんな所も、エンターテーナなのか、商売人なのか、宮部様の売れっ子作家たる筆力ですね。
私は、北一の成長が楽しみなので、続々編、書いて欲しいけど、、、宮部様、読者が待ち望むシリーズ多いですからね。。。
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