読書感想:東野圭吾 『使命と魂のリミット』

 研修医氷室夕紀は、心臓外科医の教授が実の父の心臓手術を故意に失敗し死なせたのではないかと疑っていた。そんな時、母からその教授と再婚すると言われ、ますます疑念が深まった。ある日、病院に脅迫状が送られてきた。そして、小さなボヤがおこり、脅迫状に書かれた医療ミスという噂で、過去に手術を受けた患者たちからの訴えが増え医師たちは苦慮する。その対応に真摯に説明をしろとさとす教授に、あなたはいつも誠実だったかと聞いてしまった研修医の氷室。看護婦の望は、ボーイフレンドの願いに負け手術室まで撮影させてしまう。

 

 ストーリを追いかけるだけで、結構、楽しいです。読み物としては、土日で読めます。医療物が好きな方には良いと思います。ま、ここまで偶然が続くのは、ちょっと、ないだろうと思いますが。。。一つの事象、いきさつを、見る視点が変わると、どう解釈できるのか、それが心の中のわだかまりというか、他者とどう生きていくか。

 

私のハートにささったセリフもありました。実の父から

 「ぼんやり生きてちゃだめだぞ。~~ 人間というのは、その人にしか果たせない使命というものを持っているものなんだ。誰もがそういうものを持っているものなのだ」

 

そして、母の再婚相手の教授からは、

「動じるな」執刀医は自分の手元を見ながら言った。「いつでも完全な環境で手術に臨めるわけじゃない。周りの状況に振り回されてはいけない。目の前にある、自分のすべき事に集中するんだ」

 

 どちらも、親から子に心に残る教えであります。

 

 あいかわらず、名前が覚えられなくて、人物相関図だと過去に舘ひろしさんが西園教授なさったそうで、もう、西園教授=舘ひろし様で、それが、イケオジでセリフも全部、舘ひろし様です。イメージが固定されてしまって良ければ、インターネット探してください。それが嫌な際は、主要メンバー位はメモすれば読めました。

 

 はてさて、売れっ子一流作家の東野様の作品でございます。いかんせん、男性性が強い1958年生まれの作家さんの書いた作品です。

 

 結末で1点気に入らないのです。

 私なら、まず、ビンタします。往復いくかも。

 「なめたら、あかんぜよ」と、ケリもいれるかもしれません。

 

 こんな気性だから、ぼんやり生きちゃって、嫁にも行かずにおばばになりましたけど。。。一つ、父の言ったぼんやり生きちゃだめだよ~というのが胸に残るだけでも、読む価値はあるでしょう。

 活字中毒の方は、通勤電車で暇つぶしにどうぞ。降りる駅を行き過ぎる位は、面白い本です。売れっ子ですから。

 

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