読書感想: 「おそろし 三島屋変調百物語事始」 宮部みゆき 著

   時は江戸時代、日本人の時代物好きにはたまりません。

   テレビでも、人気司会者で毎回ゲストが変わる番組は、長寿番組になると言います。おちかさんが美貌の女性司会者です。

 しかし、ただ単に美しいだけじゃ、駄目なんです。彼女もまた、現代でも起こりそうな心の傷を抱えています。この現代でも起こりそうなという所が、作者の天才、ベストセラー作家たるゆえんなのです。共感させてしまう。

 そして、現実的なまがまがしい事件の裏には、実にありえない非現実な物語がからまる。それを現代人のように頭から全否定せず、人間の業として受け止めていく。

 現在、6巻まで続いている三島屋変調百物語の、初代MC、おちかさんの心の傷と、百物語で他人の心の傷がむしろ癒しになると百物語を始めなければならなかった経緯を知らないと、どうにも他の続編がつまらない。

 従い、宮部ワールドの不思議な物語の面白さを、今後も百まで読みたい人には、必読の書となります。

 個人的には、美人に生まれないで良かった。(負け惜しみじゃないですよ~)

 どうしたって、結末まで読みたくなります。ため、コロナ予防で免疫力向上のためにも、週末、連休等、睡眠時間確保可能な折のみ、推奨いたします。

 

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

 

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