2020-01-01から1年間の記事一覧

読書感想: 「 あかんべえ」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆきの時代物が大好きでたまらない読者にはお勧めします。テレビドラマ化されやすいストリー展開。主役が女の子と、中高生の読書好き女子にもおすすめの時代劇エンターテイメントです。 個人的には、長編でも読みやすく、小一時間し…

読書感想: 「火車」宮部みゆき 著

小説の時代は少し古いバブル時期ですが、若い人にこそ、今、読んで欲しい。 いや、怖い。お化け妖怪、寝起きの母ちゃんの顔よりまだ怖いのは、生きてる人間。これほどお化けがでなくて怖くて、最後まで寝ずに読んでしまった本は久しぶりです。なんとベストセ…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第三章 異国での巡り会い-3

「帰りましょう。ここは私たちの出入りするような場所ではありません」権太は、いつになく強引に洋二郎の腕をつかむと、今来た方へ戻ろうとした。 洋二郎は動かない。 しばらく店を見ていると、娘が店先に出てきて、給仕を始めた。住民の男達の娘を見る目つ…

読書感想: 「<完本>初ものがたり 」宮部みゆき 著

テレビドラマ化されている回向院の茂七親分の捕物帳。安定の宮部みゆき作品であります。巻頭に地図がついてます。今やタワーマンションが立ち並ぶ所が、本所深川だったのかと、改めてじっくり見ました。地図だけで二駅は乗り過ごせてしまいそうです。 随所に…

読書感想: 「孤宿の人 」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆき作品の長編小説。 時代小説で、女の子が主役の小説は初めて読みました。従い、時代物に慣れない女性でも読めます。阿呆のほうと名付けられた、親にも見捨てられた女の子が生き残れるか、最後までどきどきします。連載小説等では…

読書感想:「ペスト」カミュ 著

NHK 100分de名著 「ペスト」カミュ の再放送を見ることができました。 「番組では、カミュが描き出そうした、人間にとって不可避な「不条理」に光を当て、「ペスト」という作品を通して、人間は「不条理」とどう向き合い、生きていけばよいのかを読み解…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第三章 異国での巡り会い-2

ある休みの日に、洋二郎に誘われて権太は町へとお供した。上官に付き従う兵の二人ではあったが、階級に縛られた窮屈な兵舎を出て、異国の町の風景を洋二郎と歩けるだけでも嬉しかった。かつてスペインの統治下にあったその南の島国は、アジアでありながら、…

私見: コロナ対策案 Golden Weekは、Stay Home!!

皆様、本当に辛い日々をいかがお過ごしでしょうか。 非常事態宣言がでたにも関わらず、皆様、出勤なさってあまり東京都の昼間の人口が減ってないそうです。正社員の方々なら有給が取れるかたも多いと思います。 Golden Week は休みをとり、Stay Home!! 今年…

読書感想: 「あんじゅう 三島屋変調百物語事続 」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆき作品の安定作品。美人MC三島屋のおちか様の元に、客が入れ替わり立ちかわり怪しいお話をして帰る、怪奇談、二冊目であります。もう、好きな方には、止められない、止まらない。寝不足必須です。 今回は、お勝さん登場します。…

読書感想: 「あやし」宮部みゆき 著

宮部みゆき作品にはあやしい魅力があり、それは睡眠不足という副作用をおこします。それゆえ、週末のみの禁断のお楽しみにせざるを得ません。 ですが、活字中毒で、わかっていても、どうしても平日も読みたくて仕方なくなるお方に、この短編集をおすすめしま…

読書感想: 宮部みゆき 様 独断的個人的 睡眠不足度ランキング:時代物

宮部みゆき作品は面白すぎて、それは睡眠不足という副作用をおこします。以下独断的、あくまで個人的、睡眠不足必定の大好き、時代物ランキングです。まだ読んでない作品は入れてません。ご勘弁くだされ。 5段階です。 5最高天才 4 最良 3良い 2 暇つぶ…

読書感想: 「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」宮部みゆき 著

一度好きになったら、止められない。止まらない。睡眠不足必定の宮部みゆき様。 その人気作、三島屋おちか様が人気女性MCで、毎回お客様が摩訶不思議なお話をする。その第三部でございます。寝不足間違いなしのため、連休、休日など睡眠時間が確保可能時に…

私見: こんな時は、SMAP がんばりましょう

最近、この曲が頭の中、リフレインしてます。 本当、辛いのよね~~愚痴だから読まないで~。Newsを見た後。総理がまだ非常事態宣言してくれないのか、やはり命よりも経済優先か。アベノマスクはたったの2枚か。せかっく給付してくれると期待してたら、年収…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第三章 異国での巡り会い

「田所権太、炊事兵、宿舎の少尉に湯をお届けするようにとの命令である」兵舎の厨房で片づけをしていた権太は炊事班長に呼ばれた。何か自分が阻喪でもしたろうかとその日を思い返しながら、暗い廊下を鉄拳をあびるだろうかと恐れ急いだ。入隊後、炊事兵とな…

読書感想: 「堪忍箱」 宮部みゆき 著

短編集です。 ベストセラー作家 、宮部みゆきの魅力に、あえて、あえて、難点をあげるとしたら、面白すぎて寝不足になり、仕事に差し支える。だから、連休など読める時が限定される。 この短編集があるんです。 読み応えあります。例えば、唯一自由になれる…

読書感想: 「おそろし 三島屋変調百物語事始」 宮部みゆき 著

時は江戸時代、日本人の時代物好きにはたまりません。 テレビでも、人気司会者で毎回ゲストが変わる番組は、長寿番組になると言います。おちかさんが美貌の女性司会者です。 しかし、ただ単に美しいだけじゃ、駄目なんです。彼女もまた、現代でも起こりそう…

読書感想: 「ばんば憑き」 宮部みゆき 著

江戸時代を描いているのですが、昨日ニュースで聞いた胸が痛くなるような題材を描いています。だから、余計に哀切がぐっとこみ上げてきます。時代物でありながら、現代を描いてる。日本人の時代物好きにはたまりません。 とまらない、小説エンターテイメント…

読書感想: 「三鬼 三島屋変調百物語四之続 」 宮部みゆき 著

江戸時代を描いていながら、やはり現代が透けて見える。それが、「あやし」の世界を背景にして、今を生きる現代人に訴えかけてくる。それが、このベストセラー作家が売れる所以と思います。 三島屋のおちかさんが、いわゆる現代の人気女性司会者で、毎回お客…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第二章 召集令状 3

家に戻ると房や村人の思いもよらぬささやかだが心尽くしの壮行会で、権太は酒を飲まされた。皆のわざとらしい笑顔や、房の今にも泣き出すのをこらえた目が、この若者の定めを言葉にせぬままわかっていると伝えていた。 やがて、村人は万歳と何度も声を合わせ…

読書感想: 「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 」 宮部みゆき 著

面白い。寝ないで読んでしまいました。 ベストセラー作家の作品なので、質は最初から予想通りだったのですが、止まらなくなります。さすが、天才です。「あやかし」摩訶不思議な現実の話ではないのに、ちらりと現実の人情が隠されている。それで、止まらなく…

東京近郊情報: 桜、八分咲き 20年3月25日

皆様、いかがお過ごしですか。今日は、駅前までお惣菜の買物の途中、公園を抜けました。子供達がはしゃぎまわってました。こんな辛い状況下でも、元気ですね。濃厚接触は怖いのですが、子供は致死率低いから。。。 今日も美しい桜が見れました。 ↓ 小説書い…

東京近郊情報: 桜、六分咲き 20年3月24日

皆様、お元気ですか? コロナで憂鬱な日々ですが日本はまだ散歩ができる分、恵まれていると良い方に考えています。 今日、地元の桜は強風に揺らされていますが、ニュースで見る東京の毛利庭園程には開いていません。人間界の混乱にも関わらず、強風にも負け…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第二章 召集令状 2

祭りの前日なのに大雨が降り、今年は無理ではないかと村の衆が気をもんでいた。権太は仏間に陰干しされている白い衣装と、雨空を何度となく見に行き、明日は天気になってくれと祈った。この雨の中、花お嬢様はどこに行ったのか、房に聞こうと土間や井戸端を…

東京近郊情報: 一本だけ満開の桜 20年3月18日

皆様、いかがお過ごしですか? 私、へこんでおります。 ニュースはコロナ、株価、リストラ、オリンピックは開催を強行、中止の際もチケット代返金せずってへこむニュースばかり。 今日、一本だけ満開の桜、恐らく河津桜かと思いますが、あまりに美しいのでア…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第二章 召集令状 1

「権太さん、家に戻ってください」 奥様の佐和からの使いが、畑で土おこしをしていた権太に走り寄って来た。足を洗い土間に入ると、房の顔は今にも泣きそうだった。それだけで、権太は、ああ、来たなとわかった。庭伝いに仏間で正座し背を向ける奥様の背中に…

私見: コロナは、メンタル、抵抗力鍛えましょ!

夢見、悪くないですか。 (以下、灰色は読まないでも良い、現状です) 毎日増える感染者数と死亡数。NYダウはブラックマンデーのように記録的に下がる。こんな状況では、日本の年金を増やすために底上げし続けた株価は、目もあてられない状況になるだろう…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第一章 地主の家族-4

翌日、早速、洋二郎は権太を子供の頃から稽古をつけていた丘の空き地へと連れ出した。急な坂を登らなければならないこのわずかな平地まで耕そうとする小作人もおらず、天気の良い日には良く二人で駆け上り、竹刀を振った場所であった。士官候補生とはいえ、…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第一章 地主の家族-3

「慎吾兄様は大学の研究室に残れなかったら、従軍することになると言って寄こしました」と、長男の慎吾の近況を伝えた。 二人は、洋二郎が士官学校に上がってからは、すれ違い会えずにいた。以前慎吾が突然帰って来た折に、佐和に語った慎吾の希望は言わずに…

小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第一章 地主の家族-2

数日前に戻り、母と花しかいない家で退屈していた洋二郎は、さっそく稽古に出たそうだった。佐和奥様が、久しぶりに戻ってきた権太は疲れているだろうから、早めの夕食にし就寝させなさいと止めなかったら、権太は帰宅してすぐに洋二郎の稽古につきあわされ…

小説: わんぐっどていんぐ 第一部 戦中編 第一章 地主の家族

わんぐっどていんぐ 第一部 戦中編 あらすじ 手が届かない人ーー親に早くに死なれ地主の家に引き取られた権太は、次男の洋二郎に可愛がられ育ち、末娘の花に秘かに恋焦がれていた。第二次世界大戦末期、戦局は厳しくなるばかりだった。権太にも召集令状が来…