読書

読書感想:「草花たちの静かな誓い」宮本 輝 著

誰が何をしたら、面白い小説が書けるだろうか。 1度でも読んでいただけるような作品を残したいと思った人なら、絶対にこの疑問を考えあぐねない人はいないだろう。アイデアなんて出てこない。出てきても、おおよそ先人が書いてしまったプロットをなぞっただ…

読書感想: 「幸福な王子・忠実な友達(The Devoted Friend)」オスカー・ワイルド 著

昨夜、「忠実な友達」を読んでしまい、今朝もまだ胸が痛い。 子供の頃、絶対読んだはずの童話だ。まさか、ここまで胸かきむしられるとは思わなかった。1880年発表の「幸福な王子」と他の童話の後の方に載っている物語だ。 発端は、穴ネズミの独身男が、友情…

読書感想: 「嵯峨野花譜」葉室 麟 著

固い文章です。一章ごとに読みやすいので、通勤電車15-20分でも読めます。 行間から、どれほどの情景、趣を読み取る事ができるか。余計な葉を落とされた生け花を愛でるように、読み手が行間をくみ取る本です。 実在の人物の、歴史に刻まれてないであろう側…

読書感想: 「野の春」宮本輝 著

大好きな作家です。ベストセラー作家が生まれるには、「100年かかる」。 作中、5部か6部か父「熊吾」が、まだ作者である「伸仁」が子供だった折に語り聞かせた言葉からだ。「人を作るには100年かかる」。 そして、宮本輝という本人曰くストリーテー…

読書感想: 「かまいたち」宮部みゆき 著

ベストセラー作家の宮部みゆき様の間違いない短編集、時代物です。 1987年と初期に書かれた短編を直した中短編集です。 「かまいたち」、書き物勉強している人、シナリオライター目指している人は是非おすすめします。作品的に、シナリオにしたらと妄想しや…

読書感想: 「幻色江戸ごよみ」宮部みゆき 著

宮部みゆき様の短編集、時代物、心に染み入る短編集です。前回「本所深川ふしぎ草紙」が心が温かくなる真珠なら、こちらは、クリスタルのように心が凛となります。短編集の割には止まらなくなり寝不足です。 全編に哀しい情緒が流れています。江戸に生きる庶…

読書感想: 「本所深川ふしぎ草紙」宮部みゆき 著

名人芸、宮部みゆき様の短編集、時代物。大好きな短編集です。読後に心の中で宝石のようにいつまでも輝きます。ダイヤじゃない、心が温かくなる、真珠かな。 吉川英治文学新人賞を受賞しています。お江戸の町で起こる不思議な事件を、回向院の茂七が解決する…

読書感想: 「天狗風」霊験お初捕物控【二】宮部みゆき 著

時代物のエンターテイメントです。今風で言えば霊視能力を持つお初が奉行様の特命を受け、江戸の街で起こる不可解な神隠しの真相をさぐり、消えた町娘を取り戻す物語。 宮部みゆき様のリズムを刻むような安定した文体、読んでいても気持ちの良い助け合う兄弟…

読書感想: 「無双の花」葉室 麟 著

時は戦国末期、豊臣秀吉より西国の無双と称えられた筑後柳川十三万石の領主、立花宗茂が、関ヶ原の戦いで豊臣方につき負ける所から始まります。長い牢人時代を耐え、徳川家康にその律儀さこそ乱世を終わらせ太平の世の模範とせよと認められ、敵方であったに…

読書感想: 「震える岩」霊験お初捕物控 宮部みゆき 著

時代物好きには、たまらない宮部みゆき様、安定のエンターテイメントです。読んで安心、結末でほっこり。夜一人で読んでいても、怖くて読めなくなるような事もありません。(内容もさることながら文庫なら)重くもないから通勤電車でも読めない事もありませ…

読書感想: 「模倣犯」宮部みゆき 著

怖い。ベストセラーだと聞いて5巻まで全部買ってしまったのですが、読めず飛ばし読み。怖すぎて無理でした。 読書って、何のためにするのだろう。ほんの少しでも、豊かな気分になったり、自分の知らない世界でも良い気持ちになったりする。でも少なくとも、…

読書感想: 「 あかんべえ」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆきの時代物が大好きでたまらない読者にはお勧めします。テレビドラマ化されやすいストリー展開。主役が女の子と、中高生の読書好き女子にもおすすめの時代劇エンターテイメントです。 個人的には、長編でも読みやすく、小一時間し…

読書感想: 「火車」宮部みゆき 著

小説の時代は少し古いバブル時期ですが、若い人にこそ、今、読んで欲しい。 いや、怖い。お化け妖怪、寝起きの母ちゃんの顔よりまだ怖いのは、生きてる人間。これほどお化けがでなくて怖くて、最後まで寝ずに読んでしまった本は久しぶりです。なんとベストセ…

読書感想: 「<完本>初ものがたり 」宮部みゆき 著

テレビドラマ化されている回向院の茂七親分の捕物帳。安定の宮部みゆき作品であります。巻頭に地図がついてます。今やタワーマンションが立ち並ぶ所が、本所深川だったのかと、改めてじっくり見ました。地図だけで二駅は乗り過ごせてしまいそうです。 随所に…

読書感想: 「孤宿の人 」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆき作品の長編小説。 時代小説で、女の子が主役の小説は初めて読みました。従い、時代物に慣れない女性でも読めます。阿呆のほうと名付けられた、親にも見捨てられた女の子が生き残れるか、最後までどきどきします。連載小説等では…

読書感想:「ペスト」カミュ 著

NHK 100分de名著 「ペスト」カミュ の再放送を見ることができました。 「番組では、カミュが描き出そうした、人間にとって不可避な「不条理」に光を当て、「ペスト」という作品を通して、人間は「不条理」とどう向き合い、生きていけばよいのかを読み解…

読書感想: 「あんじゅう 三島屋変調百物語事続 」宮部みゆき 著

ベストセラー作家、宮部みゆき作品の安定作品。美人MC三島屋のおちか様の元に、客が入れ替わり立ちかわり怪しいお話をして帰る、怪奇談、二冊目であります。もう、好きな方には、止められない、止まらない。寝不足必須です。 今回は、お勝さん登場します。…

読書感想: 「あやし」宮部みゆき 著

宮部みゆき作品にはあやしい魅力があり、それは睡眠不足という副作用をおこします。それゆえ、週末のみの禁断のお楽しみにせざるを得ません。 ですが、活字中毒で、わかっていても、どうしても平日も読みたくて仕方なくなるお方に、この短編集をおすすめしま…

読書感想: 宮部みゆき 様 独断的個人的 睡眠不足度ランキング:時代物

宮部みゆき作品は面白すぎて、それは睡眠不足という副作用をおこします。以下独断的、あくまで個人的、睡眠不足必定の大好き、時代物ランキングです。まだ読んでない作品は入れてません。ご勘弁くだされ。 5段階です。 5最高天才 4 最良 3良い 2 暇つぶ…

読書感想: 「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」宮部みゆき 著

一度好きになったら、止められない。止まらない。睡眠不足必定の宮部みゆき様。 その人気作、三島屋おちか様が人気女性MCで、毎回お客様が摩訶不思議なお話をする。その第三部でございます。寝不足間違いなしのため、連休、休日など睡眠時間が確保可能時に…

読書感想: 「堪忍箱」 宮部みゆき 著

短編集です。 ベストセラー作家 、宮部みゆきの魅力に、あえて、あえて、難点をあげるとしたら、面白すぎて寝不足になり、仕事に差し支える。だから、連休など読める時が限定される。 この短編集があるんです。 読み応えあります。例えば、唯一自由になれる…

読書感想: 「おそろし 三島屋変調百物語事始」 宮部みゆき 著

時は江戸時代、日本人の時代物好きにはたまりません。 テレビでも、人気司会者で毎回ゲストが変わる番組は、長寿番組になると言います。おちかさんが美貌の女性司会者です。 しかし、ただ単に美しいだけじゃ、駄目なんです。彼女もまた、現代でも起こりそう…

読書感想: 「ばんば憑き」 宮部みゆき 著

江戸時代を描いているのですが、昨日ニュースで聞いた胸が痛くなるような題材を描いています。だから、余計に哀切がぐっとこみ上げてきます。時代物でありながら、現代を描いてる。日本人の時代物好きにはたまりません。 とまらない、小説エンターテイメント…

読書感想: 「三鬼 三島屋変調百物語四之続 」 宮部みゆき 著

江戸時代を描いていながら、やはり現代が透けて見える。それが、「あやし」の世界を背景にして、今を生きる現代人に訴えかけてくる。それが、このベストセラー作家が売れる所以と思います。 三島屋のおちかさんが、いわゆる現代の人気女性司会者で、毎回お客…

読書感想: 「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 」 宮部みゆき 著

面白い。寝ないで読んでしまいました。 ベストセラー作家の作品なので、質は最初から予想通りだったのですが、止まらなくなります。さすが、天才です。「あやかし」摩訶不思議な現実の話ではないのに、ちらりと現実の人情が隠されている。それで、止まらなく…

読書: 戦中・戦後の暮しの記録

書き始めた戦中戦後のラブストーリーのためには、どうしても時代背景を知らなければなりません。今は、You tubeなど何でも情報源はありました。 しかし、やはり紙媒体ほど読んでいて頭に入るものはありません。 調べた所、この本が一番感覚的に当時の庶民の…